異国の地、暗闇、ビート、痺れ 遠のく意識
Mogwai - Every Country's Sun (2017) [Full Album]
(今から書くことは何となくこの音楽がよく表している気がするので良ければ再生しながら読んでください…)
いつのころからか胃が弱くなっている。
それも空きっ腹に酒を飲んだりするからなんだけれども。
つい昨日、友人と二人で旅行していたとき胃弱による症状が現れた。
一昨日の夜22時頃、車でスロヴァキアの目的地に着いた。
昼から何も食べてなくて空腹を忘れるほどの空腹で街に出て夕食をとった。
レストランで地元の無濾過ビールがあったのでつい頼んで飲む。
その時は何ともなくて、そのまま楽しんで結局午前4時までたいそう酒を飲んだ。
翌朝、ゲストハウスの天窓の明かりで起き、友人が起きるのを待ちながら本を読んでいた。
腹は減っていたが、食べるものといえばクッキー一枚とチョコレートしかなかったので
とりあえずそれだけつまんだ。
3時間ほどしてようやく友人は起きてきて、それから一緒に朝食(時間的には遅めの昼食)として、大量のフライドポテトがついたハンドメイドハンバーガーを食べた。
やはりこの脂っこさがよくなかったのか食が進まず、一口だけ残して店を出た。
数時間後、日がすっかり沈んでいる中を車で一時間半ほどのところにある城を見に、友人の運転する車の助手席に座って道案内をしていた。
そのとき、胃の不調と共に、全身が痺れてくるのを感じた。
頭皮から腕、足までピリピリと痺れて、心臓は速く脈打つ。
マイナー音楽が好きな友人の趣味でステレオは同じリズムだけを刻む。
外は知らない街で、明かりもほとんどない。
ハイウェイを130㎞で飛ばす車。その振動。
異国の地、暗闇、ビート、痺れ…。
この中で、意識は遠のいていき、眠るようにしてぶつ切りになっていく。
手に握っていたスマホを何回も落とした。
そこまで深刻には考えていなかったけど
「ああ、ひょっとして俺死ぬかもな。こんな風にして人って死ぬのかもしれないな。」
と思った。
別に怖くもなくて
「ああ、こういう風にして死んでいった人っていっぱいいるんだろうな。自分がそうじゃないなんていえないな。」
ということを虚ろな頭で淡々と考えていた。
まあ、実際は30分ほどしたら治ったのだけども。
僕にはあの時の感覚が、何となく世界の真実を表しているような気がしてならないのです。