メリー・クリスマス
クリスマスと聞けば、それはフィルムカメラで撮られた、彩度が不調和で少しぼやけたような写真が思い浮かぶ。
去年のクリスマスは留学先の大学は休みで、確か氷点下のブダペスト訪れていた。曇った仄暗いブダペストの街の中で、クリスマスマーケットの明かりが優しくてホットワインは甘かった。
一昨年は当時付き合っていた人を訪ねるためロスアンゼルスにいた。イミグレの長い列に並びながら、空港職員が似合わないサンタ帽を着けていた。
今年はといえば、卒論のために図書館と研究室に入り浸っている。今も研究室にいて、Youtubeで誰かの作ったスティファン・スティーブンスのクリスマスミックスを聞いている。
先日はクリスマス会と称して、友人たちと料理を作って、そこそこ美味しい安ワインをしこたま飲んだ。
きっと今年のこんなクリスマスもピントのぼけたフィルム写真のように思い出されるのかもしれないな。
それはそれで良い。
クリスマスっていうのはいつもは聞かないマライアキャリーとかワム!とかの煤けた遠くで鳴っている、キラキラした音楽のようでいいんだろうなと思う。
メリー・クリスマス。