不器用な歌

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例えば

「あなたなんか会いたくない」という気持ちと

「あなたに会いたい」という気持ちの近さであったり、

 

「どこにも行きたくない」という気持ちと

「どこか遠くに行きたい」という気持ちの近さというものがある。

 

もっと言えば、それらは同じことだったりする。

 

ひょっとすると、それは幼少期、好きな子にいたずらをすることと似ているかもしれない。

とにかく僕たちはそういう矛盾するような面倒くさい気持ちを持っているのだ。

 

それならば引き籠ってしまわないで

「あなたに会いたい」のほうがいいし

「どこか遠くに行きたい」のほうがいい。

そんなことは知っている。

でもそんなに上手くいくわけではない。

不器用なものを抱え続けて生きていくしかないのだ。

 

「甘えるのが下手な優しさに似たRock'n'Roll」*1みたいな歌を歌う。

そういうこと。


Sufjan Stevens - Mystery of Love (From "Call Me By Your Name" Soundtrack)

 

*1:尾崎豊「街路樹」