悪魔
悪魔が心のどこからか現れる。
それは僕の悪魔だ。
どんなに貴方のことを思っていて、貴方のために良いことをしようとしたって
僕の心に悪魔はやってくる。
邪悪な心が俺を誘惑し、思考は無化する。
他人を傷つけ、自分を傷つける思考が次から次へと自分の頭を支配して
自分の心というものがここまで邪悪なことに僕は絶望する。
悪魔は笑っている。
「そうさ、お前だって所詮この程度の人間だろ。善い人のフリなんかするなよ。今に分かることだぜ。」
悪魔が笑っている。
僕は少し疲れたのかと思ってコーヒーを飲んでベッドに横たわる。
枕に顔を押し付けて、睡眠が僕をどこかに連れて行ってくれることを願う。
そのうち、そのまま起きているよりはちょっとだけマシな眠りがやってくる。
起きると悪魔は姿を小さくしている。
「なんだ、俺は疲れていただけか。」
すこし安心する。でもまたすぐに悪魔はやってくる。
僕は貴方を傷つけたくなくて、僕が悪魔を心に持っているときだって、
苦虫を噛み潰すみたいに、悪魔を押し殺す。
悪魔と手を結んで貴方を傷つけるくらいならば、俺もいっそ悪魔と飛び降りたほうがマシかもしれない。
悪魔はいつか僕の心を立ち去るのか。それとも飼い慣らすことができるのか。
僕には分からない。そんな今を足掻いている。