Dreaming of You
一人で考える時間が長いと、なんだか昔に戻ったみたいだと思う。
ことがあるごとに何かを考えていた。
そのときを思い出すと、生ぬるい春の日射しを黄色い自転車で走ったことや、霧っぽい夜道をほろ酔いながら歩いた光景が浮かんでくる。
昔、気が狂ったようにリピートして聴いていた曲を久しぶりに聴くと、どこかが痛くなって、少し目が潤んでくる。
そのときに浮かぶ過去は、聴いていた時期の一点の光景と感情を瑞々しいというよりは、むしろ集積されていながらも細切れになって取りとめもないモーメントがふつふつと曖昧にわき上がってきては、意識がその光景の時期と感情を特定する前に過ぎ去ってしまう。
とりとめのない気持ちを、あなたの写真をスクロールすることによってどうにか暴れ出すことを抑えることが出来る。
その横顔をこのふわふわとした脳裏に一度でもうつせば、どこかで会えるだろうか。
Dreaming of You. 夜か朝かも分からない夢の中。