2017-01-01から1年間の記事一覧

思い出はいつも美しい?

寺山修二は言った ― 思い出はいつも美しい ― おれは歴史なんか嫌いだ 思い出が好きだ 国なんか嫌いだ 人が好きだ * * * 僕は基本的には思い出を背負って抱え込んで生きていくのは 嫌だなと思っているのだけどこの言葉は好きだ。 そしてこの言葉を聞くと思…

朝起きたら雪が積もっていた。 いつものように窓の外を見ると静寂に包まれた白い世界。 朝に積もっているとなると 夜の暗いときから降っていたということなんだろう。 夜の闇に抵抗する真っ白な雪。 世界を覆ってしまおうという二つの力がせめぎ合う。 人び…

Hennaの帰途

Hennaはフィンランドから来た背の高く健康そうな体形の女性で シルバーブロンドの細い髪をところどころ青く染めている。 片耳にだけ大きなピアスホールを開けている。 彼女の部屋は僕たちの部屋の隣で僕のルームメイトもフィンランドからなので 自然と仲良く…

周回遅れのコミュニケーション

英語で彼女と何気ない会話をする。 僕は元来、日本語でも何気ない会話というのが苦手である。 誰かの口から発せられた脈絡の薄い断片的な言葉というのは 常に不意に頬を叩かれるようなもので毎回はっとして少しオロオロしながらも、 それが知られないように…

さよならをいうこと

Miss Misery by Elliott Smith [Lyrics] Good Will Hunting (ending song) 昨日の夜、仲良くしていたベルギーからの留学生JonathanのFarewell Partyがあった。 日本語にすれば「お別れ会」。 でもFarewellという単語にはそんな悲しさに満ちた印象はなく 辞書…

大切なものを壊してしまうこと

大切にしてきたものを壊してしまいたい。 今まで大切にしてきたもの育て続けてきたもの そんなものは床にぶつけて粉々にしてゴミ箱に捨ててしまえばいい。 たとえそれが一瞬魔がさしたというだけであっても それに後悔はしない。 いや、こんなことしてよかっ…

「君が僕を知ってる」 親友と死について

Kiyoshiro & Chabo - 君が僕を知ってる 僕の個人的な友達やTwitterを見た人は知っていると思うのだけど 僕は夏から1年間の留学をしている最中である。 来てから2か月半ほど経つところだが、ついこの前日本から親友が会いに来てくれた。 彼とは高校の時からの…

愛の浮遊者の戯言

愛とは何だ。 もし気にかける、その人を思うということが愛なのだろうか そんなような気もする。 しかし、どうしても気になってしなう、どうしても頭から離れないということが愛なのだろうか。 するとどうだろう 気になってしまうということがネガティブな意…

世界を配置=制作すること

(なんか某論文をもじったみたいになっているけど、これがタイトルとしてしっくりきたので。) 以前、Twitterにも書いたのだけれど 何となくもう少し形にしたかったから書いてみる。 この世界は果てしなく膨大だ。 例えばインターネットで何かを検索してみる…

異国の地、暗闇、ビート、痺れ 遠のく意識

Mogwai - Every Country's Sun (2017) [Full Album] (今から書くことは何となくこの音楽がよく表している気がするので良ければ再生しながら読んでください…) いつのころからか胃が弱くなっている。 それも空きっ腹に酒を飲んだりするからなんだけれども。 …

Emerald Green Eyes

目を合わせるときはっとすることがある。 彼女の目はエメラルドグリーンで中心には深い黒の世界。 普段は伏し目がちに話すことが多いから目を見ることは多くない。 こちらに来て多くの人が目を見て話すから努めて目を合わせるようにしている。 しかし、目を…

続くものと、知らないうちに消えているもの

新しいスマホを買った。 SIMカードとSDカードを移し替えさえすれば今までと同じように使える。 この時に、新しいスマホ=機械はSIMカードとSDカードの乗り物でしかない。 数年使って手に馴染んで傷がついた古いスマホは抜け殻のようになる。 毎日毎日ポケッ…

束の間の休息

彼はショートピースを吸うのが好きだった。 ショートピースとはフィルターのついていない両切り煙草だ。 彼はふかすように、ゆっくりと煙を吸い込んでは 白くなった息を空気が運ぶままにさせておいた。 煙越しに雨上がりの空を眺めると生きている気がしたし…

Ballad of Big Nothing このブログについて

Ballad of Big Nothingと日常を綴ろう。 「大きな、何でもないことのバラッド」 浮かんでは消えていく、しかし、ある時には頭の中を支配してしまうような そんな断片の物語を少しだけ形にして残してみたくなった。 「いつだってやりたいことをやれる。誰だっ…